ユージーン・スタジオ

寒川 裕人 様

株式会社灯工舎

高橋 典子 様

「ユージーン・スタジオ 新しい海」展での作品に
LEDSFOCUSを起用

東京都 江東区 東京都現代美術館

Location

設置地域

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東京都江東区の木場公園の北に位置する東京都現代美術館におきまして、2022年2月に寒川裕人様によるアーティストスタジオ「ユージーン・スタジオ」の個展が開催されました。
国内公立美術館では初の個展「ユージーン・スタジオ 新しい海」が今注目を集めています。

Introduction

はじめに

イントロダクション画像

ユージーン・スタジオは、寒川裕人様による日本を拠点としたアーティスト・スタジオです。
平成生まれの作家の個展は、東京都現代美術館では初めてとのことで国内外での評価の高さが伺えます。
これまでの主な展示としては

資生堂ギャラリーでの個展
「THE EUGENE Studio 1/2Century later.」(2017)

国立新美術館で発表した
「漆黒能」(2019)

金沢21 世紀美術館でのグループ展
「de-sport 」(2020)

などがございます。

今回は44点の作品のうち2点においてスタンレー電気のLED投光器
LEDSFOCUSシリーズをご使用いただきました。

Interview

お話を伺いました

寒川 裕人 様

ユージーン・スタジオ

寒川 裕人 様

高橋 典子 様

株式会社灯工舎

高橋 典子 様

バックグラウンド画像

 

閉館後の東京都現代美術館に伺い、アーティストの寒川様と展覧会照明をご担当された灯工舎の高橋様にお話しを伺いました。

お忙しい中貴重なお時間をいただき
また、当社LEDの投光器LEDSFOCUS PROをお使いいただきまして、まことにありがとうございました。
早速ですが、今回の展覧会がどのように完成したか、特に弊社LEDを使用いただいた作品についてお尋ねしてもよろしいでしょうか?


寒川様
今回の展示では自然光に近い明るいものから、完全な闇まで様々なイメージがありました。
2019年に国立新美術館で行った「漆黒能」という作品で「新月の夜の数十分の1」の明るさを作る際、灯工舎さんにテクニカルサポートを依頼し、人の眼が暗さに慣れてからかすかに見える光を実現しました。
その経験から、今回の個展の計画の際、灯工舎さんに照明全体の設計を一緒に考えたいと、1年以上前から議論をはじめました。

高橋様
展覧会全体の光、特に作品と一体となる部分については計画の初期段階からテクニカルな部分をサポートさせていただきました。

寒川様
灯工舎さんは打合せを進める初期の段階からイメージに近いご提案をしてくださいました。

高橋様
光のイメージやニュアンスを作家と共有することが求められますから、灯工舎では数多くの経験だけでなく、実際に実験、計測し、感覚だけでなく数値化して共有できるように心がけています。

素晴らしいご関係ですね。
今回ご使用いただきました作品での投光器使用についてお伺いしたく存じます。
まずはエントランスに近い場所にございます広大な空間に広がる「海庭」という作品ですが、とても大きな空間に広がる水面は、どこまでが空間でどこまでが作品なのかが分からない幻想的な雰囲気です。

バックグラウンド画像
バックグラウンド画像
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寒川様
昼間は自然光、日没後はスタンレーさんの照明で作品がまた異なった光を受けています。

高橋様
スタンレーさんの器具は普通の照明メーカーにない光を実現していますね。
尖っていて他が作っていない、コレしかないという場所にマッチするものだと思います。

寒川様
昼間の自然光が差し込むような状態を作り出せないかと、模型などで試行していたところに灯工舎さんからご提案頂いたのがこの照明(LEDSFOCUS PRO)でした。

高橋様
寒川さんのイメージされている空間には明確に配光制御された光が合っていると思いました。
しかし美術館で展示する作品への光なので、灯具もシンプルで空間のノイズにならないものが良い。
そこでこちらの器具にたどりつきました。

寒川様
繊細な配光制御は素晴らしい状況を生みました。
また、特殊な技術、レンズによって、通常の方法では起き得ない配光が実現できました。

ありがとうございます。自動車照明で培った配光技術を応用しております。
この空間は光源がどこか、どう照らしているのか、とても不思議で作品の壮大さと相まってとても居心地の良い空間でした。


寒川様
照明を使っていることに気づかない方もいらっしゃると思います。
器具と特殊な効果でライン状の光を表現し、今まであまり見たことのないような、どこまでも続いている光が実現できたと思います。

高橋様
そのイメージ実現のために器具に特殊な加工をして、器具の位置も建築に合わせて自然光に近い角度を検討しました。
そのため、どこからどんな光によってこのような空間ができるのか、わからないかもしれません。
スタンレーさんの器具の特殊な配光があったからかこそ実現しました。

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作品「ゴールドレイン」

お褒めのお言葉ありがとうございました。
「海庭」ではLEDSFOCUS PROをご使用いただきましたが、弊社の投光器をご使用いただいたもうひとつの作品「ゴールドレイン」では、シングルのLEDSFOCUSを起用いただきました。
落下する粒子を天井に設置したシングル投光器で照らし出しました。


寒川様
こちらは金と銀などの粒子が5-6mある天井から落ちてくる作品です。
光のレイヤーを作ったことで、粒子が光の中を落ちる際に複雑な変化がおきました。

幻想的で次々と様々な表情を見せる作品にじっと見入ってしまいました。

高橋様
この作品を具現化するにあたり、1年以上前からご相談いただき、サンプルでの試行錯誤を繰り返し完成しました。
この作品の光をつくりだすためには3度以下の配光制御された光でゾーニングし、光でレイヤーをつくることが必要でした。

寒川様
2019年にパリで発表したときは自然光の中だったのですが、今回は暗い空間の中にしましたので、配光が広い光よりも狭い光のほうがより良かったです。
実際に光の状況をみて、この作品の奥行きが増したと思いました。
光と影は同時におきているので、影を作るためには狭く、制御された光が大切です。
半年ほど前に、スタジオを暗くし、「ゴールドレイン」と照明のテストを見た際は、みなから声が上がるほどの光でした。
金、銀と、色も、そして大きさも、粒子ごとに異なり落ちていく速さも違います。
シンプルな状態ですが、光が、複雑な変化をもたらします。

高橋様
金や銀を美しく見せるために、色温度も数種類実験し、一番イメージに合った高い色温度のものに決定しました。
様々な金色により、世界観が表現されている感じがします。

ずっと見ていたい気になる素敵な作品でした。
他の作品も更に多くの方にご覧いただけるといいですね。
とても素敵な作品に光を通してご協力できましたこと、たいへん嬉しく思います。
本日はまことにありがとうございました。

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Lighting Equipment

使用灯具

活用画像
活用画像

「海庭」にてご使用
写真左:LEDSFOCUS PRO9灯タイプ 2.5°(特殊レンズ仕様)5台

「ゴールドレイン」にてご使用
写真右:LEDSFOCUS LLM0854A 2.5°8台

 

「ユージーン・スタジオ 新しい海 」
EUGENE STUDIO After the rainbow

<<ご好評のうちに閉展いたしました>>

Museum of Contemporary Art Tokyo
東京都現代美術館
2022年2月開催

 

お電話 050-5541-8600(ハローダイヤル)

特設サイト https://mot-solo-aftertherainbow.the-eugene-studio.com